金谷潤子
6月26日
訪問診療で高齢者のお宅に伺うと、良く目にするのは国会中継のテレビです。
皆さま真剣にこの国の明日を見つめておられます。
多くの施設や通所サービスで、折り紙や風船バレー、塗り絵などが提供されていますが十把一絡げに、まるで幼稚園のように「させられている」のはいかがなものでしょう。
お話してみると「仕方なく、してやってる」のだそうです。
切なかろうとお察しします。
しっかりしておられる方も多くいらっしゃいます。
人生100年の時代に、定年が65歳。
40年近くを年金や備蓄で賄うのはおかしな話です。
大切な知識や技術を活かす雇用こそが求められています。
若い頃のような就業時間ではなくても、扶養の必要性が殆ど無く、足るを知る高齢者には十分な収入となるでしょう。
社会参加が可能となれば、役割喪失から生じる認知症周辺症状も消失し、医療に頼らない高齢者も増えるでしょう。
高齢者は人生の先達です。
私をはじめ、多くの若者など叶わない人生経験をお持ちであることを忘れてはいけません。
心からの感謝と尊敬の意を持ち、時にはお手伝いをさせていただく。
ごまかしなど効かないのです。