金谷潤子
5月28日
お看取りが数日続きました。
在宅でお看取りさせていただいた後には、ご紹介元の病院や後方支援を頂いていた病院へのご報告をしています。
まだまだ在宅医療の現場のことは病院では実感できないことが多いと思いますので、看取りまでの経過を少しでも知って頂くことが必要と思っています。
本日も癌末期の患者さまのご報告をこの様な文面で送りました。
『平素大変お世話になっております。
患者様は◯月◯日からフェントス0.5mgで鎮痛開始、徐々に疼痛の増強見られましたがお粥や好きなものを少量摂取されて穏やかにお過ごしでした。
意識レベルも緩やかな低下の経過で、ご家族様は看取りへのお気持ちの準備も十分できたのではと感じています。
3日前には楽しみにしていた訪問入浴を済ませ、2日前には本州から娘様が来られました。
◯月◯日、朝から高熱と下顎呼吸となり◯時◯分に死亡診断させていただきました。
お身内皆さまの見守る中でお顔はとても満足そうな表情でした。
この度は後方支援を頂いているおかげで、ご家族、在宅チームともに安心してご本人の終末期療養を支えることが可能であったと深く感謝申し上げます。
今後とも良い連携を頂けますと幸いです。』
娘様が来られてから、まるで待っていたかの様にお食事も数口堪能して旅立ちました。
少し忘れん坊さんの高齢の奥様は精神的ストレスでご体調を崩されるのでは?と心配もしましたが、看取りの時にはむしろご主人の「最期まで家に居たい思い」を叶えられた高揚感と達成感を感じているご様子でした。
「本当にお疲れ様でした。どれほどご主人様が感謝されていることかと思います。
奥様の寄り添いを仏様もちゃんと見ておられて、お礼に長生きしなさいと言って下さいますね。」
と、話すとクシャクシャの笑顔で恥ずかしそうに
「そうでしょうか。そうだと良いのだけど。」と喜んで下さいました。
看護師さんと娘さんで、若々しいポロシャツ姿にお着替えされたご本人はご自慢の(何度も自慢話をされていました)ご自宅で一際輝いている様な旅立ちでした。
合掌。