金谷潤子
8月30日
この話も何度もしています。
私は看取りがしたくて訪問診療している訳ではありません。
自分の「いのち」へのこだわりをし尽くしたいだけなんです。
終末期の患者さんに必要なことは、医者からは丁寧な説明と十分な手の内。
主役は看護師さんの手厚いケアだと思っています。
訪問看護さんが、とことんケアに尽力して欲しい。
病状に振り回されることなく安心して専念できるように、
私はしっかりと薬剤コントロールと必要な説明をしておく。
その場でご家族や訪問看護さんが調整できるような、薬剤や処置の幅も十分持たせて。
当院は外部の訪看さん頼みであり、そして訪問看護さんたちにたくさん活躍して欲しいので、いつでも通常の在宅医療算定にしています。
その場をきちんとしつらえるのが私の役割だと思っています。
医者ばかりが脚光を浴びますが、最も大変でありがたいのは看護師さん達の働きです。
暑くても寒くても、丁寧に身体を拭き、排便の援助をし、傷の手当てもする。
ニコニコ優しい笑顔で、優しくお手当てしながら、患者さんやご家族の心の支えとなって下さる。
私は看護師さんたちをどれだけ生き生き活躍させることができたかを自分への評価としています。
看護師さんたちの働きはあまりにも地味で、決してドラマチックではありませんが、
まことの心の癒しとは実は目立たないことの繰り返しではありませんか?
特別なエステや南国旅行でのリフレッシュも素晴らしい癒しの時間とは思いますが、
大切な方からの日々の「ありがとう」の言葉、笑顔、これらこそがあなたの人生をしっかりと支えてくれると思いませんか?
自分を根っこからささえて、
芯から癒してくれることとは、
決して特別ではない
誰かのさりげない気持ち。
あたたかい言葉。
優しい存在。
いつも居るから特別に思わなくても、
パートナーや家族やペットの
日々の存在にどれほど癒されていることか。
これこそが大切な「緩和ケアの真髄」なのです。
当院は訪問看護を持ち合わせておらず、他の事業所さんのステーションと全て患者さん毎の新たなチーム編成で請け負っております。
やる気いっぱい、ナイチンゲール魂の新たな看護師さんと出会えた時の喜びはまた格別です。
そして、お迎えの近い方々の支えとなって下さることを願い、その為の計画を立て、実行していくことが私の「終末期医療」です。
今日はある訪問看護さんから、こんなメッセージが届きました。
初回訪問で介護保険の認定調査中に、訪問診療の必要性を確信してコッソリ連絡くれたのです。
こんな声に応えずにいられましょうか。
当院からは結構な遠方でしたが、メッセージを見た40分後にはご挨拶に伺いました。