金谷潤子
9月26日
まだお若い癌末期の女性。
家で最期をと、先週末に病院から退院されてご縁がありました。
聞けばご調子が悪くなる前には、週に一度はスーパー銭湯に行くのが大好きだったとのこと。
それはお風呂に入りたいでしょう。
ご家族様も是非、訪問入浴を叶えたいとご希望があり、ケアマネさんがお手配して下さっていました。
既に3日ほど前から血圧は下がり始め、お話もできない状態でしたが、
「お風呂に入っている間にお迎えが来たのならば、それはどんなに心地良い瞬間かと思います。
ご本人さまの入浴のご希望は是非叶えて差し上げましょう。」
と、ご家族さまにお話しました。
そして入浴が叶いました。
ご本人さまは温かい湯船の中で本当に気持ち良さそうな穏やかな表情でした。
さて、伸びた髪も切りたいと予約していた訪問理美容さんには、どうやら旅立ちの時間が間に合いそうにありません。
数人のケアマネさんに連絡して、心当たりの訪問理美容さんの連絡先をお聞きし、
「今、お迎えが来る方の髪を、
今、切っていただけませんか?
どうかお願いできませんか?」
と、昨日の夜中に無茶振り。
訪問理美容「あい愛」さんが二つ返事で向かって下さいました。
もう血圧は50を切っていましたが、
丁寧なお声かけの中で、
素敵に髪を切り、
お顔剃りと眉も整えて下さりました。
見違えるように若々しく変身です。
これからまるで街にお出かけするかのように、
美しく身支度が整い、
その数時間後に静かにお迎えが来ました。
この世で生きたその生き様の最期を、
理美容さんは
大切に仕上げて下さいました。
整えるとはとても気持ちの良いことですね。
無駄なものを払い、
美しいバランスで仕上げる。
身も心も整えることは、
禊(みそぎ)
清め
祓い(はらい)
に通じます。
お顔やお身体や御髪だけではなく、
魂もピカピカに磨かれて旅立たれたのだと思います。
お力添えを頂きました方々に心からお礼を申し上げます。
合掌。