金谷 潤子 2月14日
今日はある患者さんのご家族と既存の訪看さん、ケアマネさんに当院外来にお越しいただき、
今後の新しいチームでの在宅療養について話し合いの場を設けました。
認知症などで経口摂取も思わしくなくなり、肺炎を機に廃用が進んでいます。
長く診ておられた訪問診療の先生がいらっしゃいましたが、
「自分の説明の仕方が足りなかった、金谷先生ならばきっと不安なく寄り添っていただけるだろう」
と直接お電話もあり、主治医交代で受けさせていただくことになりました。
この先生は非常に真面目な良い先生で、
ご家族は「その誠実さに自分のいい加減さが申し訳なくて色々相談できなかった」と、
仰っていました。
訪問診療と言うのは、その方のプライベートな生活空間に入り込みます。
たかが在宅医ではありますが、月に2回定期的に家に訪れる「他人」には、
相性や印象も大事な要素でしょう。
私の声を「大きくてうるさい」と嫌がる方も時々いらっしゃいます。
つい熱が入ると、更に音量が増してしまいます。
お耳の遠くない方には、極力静かに話しかける様に心がけていますが、
それでも、やかましくて、じっと我慢しているのかもしれませんね。
自分のポリシーやスタイルや治療方針が全ての患者さんやご家族にとって
「間違いない」と考えてはなりません。
「正しい」とか「正しくない」で分けられないところに、
大切な問題が潜んでいることも多くあります。
特に「死や老い、終末期の受容」に関することは、
私が医師として学んできたこととは別の「人間性」も求められます。
今回ご紹介して下さった先生の様に、
私もいつも謙虚に誠実に「私で大丈夫だろうか?」
と言うことも忘れないでいたいと思います。
※今日はバレンタインデーでしたね。
私も実家に行き、父の骨壺(うちは位牌や仏壇が無くて母が骨壺の周りに写真や思い出の品などを飾っています)にチョコレートと生寿司を届けて来ました。
美味しく食べたかな?
皆さまも、良い週末をお過ごし下さい。