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2020.02.26

ウイルスの存在に思うこと

金谷潤子 2月23日


学生時代、微生物学の授業でウィルスを習った頃には

単に「細菌の小さいやつ」と言った印象でしかなかった。

どのような生物も互いに良くも悪くも影響し合う。
細菌も人間に取って悪いものばかりではなく、

乳酸菌や納豆菌、酵母菌など良い細菌も居る。

ウィルスは悪いことばかりだろうか。

ウィルスは生物なのかどうかも議論されている。

ウィルスは遺伝子を持つが、細胞を持たないからだ。

他の生物の細胞の中に入って初めて増殖し、生物のように振る舞える。

このような生物は他に地球に存在しない。
普通はエネルギーを得て成長し増殖していくが、

ウィルスには遺伝子という増殖のための設計図があるだけ。

その設計図だけ持って他の生命体に入り、自分を増殖させるのがウィルスの蔓延の仕組みです。

ウィルス感染は宿主に時に遺伝子変異をもたらす為、

生物の進化に必要なのだと言う説が有るが確証は無い。(いわゆるウィルス進化説)

SF映画やアニメや漫画でもそのようなストーリーが散見される。

ウィルスの存在自体も謎で、宇宙からやってきた寄生体という説もある。

ウィルスの役割と存在は、誰も解明できていない。

私は微生物学者ではない。
ただの町医者だけれども、世の中が新しい感染症に脅かされている状況の中で、

ふと、これが人類にとって何を意味するのかと考えてみる。

先に、東北大微生物学の先生の提言をご紹介させていただきました。

人類の生活は随分便利になって来たけれど、

今、このような局面に際してどのように乗り越えていくことが試されているのか。

マラリアの特効薬として、

ヨモギの一種から抽出されるアルテミシニンを発見したことで

2015年に中国人女性がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

今は抗マラリア薬の中心的地位を占め、アフリカをはじめ世界で多くの命が救われています。

現在は抗癌作用についても研究されているそうです。

もちろんマラリアは寄生虫ですから、ウィルスと比べてはるかに巨大で全く別の存在です。

抗インフルエンザ薬で有名なタミフルは植物トウシキミの果実

「八角」から得られるシキミ酸を原料として合成されています。

ドイツではヤドリギのエキスは癌に対して最もポピュラーな治療法で、

ヤドリギから抽出された注射薬が病院でも使われているのですが、日本では殆どの人が知りません。

病には生薬や栄養の手助けが必ず必要で、

時にそれは科学的な響きを持たない為に疎かになることもあります。

しかし決して忘れてはならないことは確かです。

自分の学んでないこと、知らないことの中にも大切なことはたくさんあるはず。

否定したり中傷することは簡単ですが、学ぶことには時間がかかります。

自分のできることを考えながら、学ぶ姿勢が今こそ問われているのではないかと感じます。

 

発明王エジソンは今から100年前に未来の医療について言及しています。
The doctor of the future will give no medicine but will interest his patients in the care of the human frame, in diet, and in the cause and prevention of disease.
(Thomas Edison, 1847-1931)

「未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本的な構造を大切にして治療をするだろう」

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