訪問診療ブログ『奇跡を、魔法を、どうか見せて』
コロナウイルス のイヤらしさ
志村けんさん、岡江久美子さんがコロナウイルス感染で亡くなりました。じわじわと大切な人を奪ってゆく、これがコロナウイルス の一番イヤらしいところです。世界では日本よりはるかに甚大な被害を受けていますが、同じような特徴があります。最近、ニュースで報じられていましたがスペインで亡くなった方の約半数は施設に入所している高齢者だったそうです。前から言われていたように、コロナウイルス は体力、恐らくは免疫力が低下している人を狙い撃ちにして重篤化しているようです。最近でも、北海道の新たな感染者は多くが医療機関、高齢者施設に集中しています。
現在の移動制限はあくまでも対症療法的で、根本的にコロナウイルスを克服するには3つの方法しかありません。①集団免疫を獲得する、②ワクチン、③治療薬です。しかし、集団免疫を獲得するには多くの人間が一旦感染する必要があります。その結果、多くの人命を失うことになりますので現実には選択できません。治療薬は、アビガンをはじめ色々な薬、ビタミンなどが実際に使用されて一定の成績をあげているものもありますが、決定的な治療薬はまだありません。ワクチンはもっとも効果が期待されますが、完成に時間がかかるのが問題で、今の状況には間に合いません。しかし、イギリスでは既に臨床治験が始まっています。日本でも7月には始まりそうなので、最短で冬には間に合うかもしれません。(現在の状態を考慮して通常の認可に要する時間が短縮された場合に限ります)
コロナウイルス のイヤらしさはさらに、医療現場を蝕むところにあります。特徴の一つとして医療従事者の感染例の多さが目立ちます。現場では、コロナウイルス 感染者に対して極めて注意して治療を行なっています。しかし、理由がよくわからない院内感染症例が多発しています。自分が感染するかもしれないという恐怖と医療者に対する嫌がらせなど、安心して治療に向かえない状態が、医療現場を萎縮させます。特に、軽症者の場合には、自分が感染している自覚もあまりなく、他の病気の患者に混ざって医療機関を受診してしまうことがあるのがコロナウイルス のイヤらしい点です。コロナウイルス を全く警戒していない所を襲う、医療機関の弱点を突いてくるところがイヤらしい点です。
現在、移動制限下にある日本の中で他に私たちにできることはなんでしょうか。大切なことは当たり前ですが各々が健康状態を保つことです。特に、免疫力が大切です。積極的に免疫力を高める方法を次回、科学的に考えてみたいと思います。
病気予防に関する考え方
コロナウイルス 騒動について考えます。人類が未知の病気なので、みんな不安です。そんな時は、人の不安につけ込んだ色々なものが現れます。聞いたことがない「〇〇が効く」みたいなものです。しかし、気をつけなくてはいけないのは様々な情報の中からなにが正しいのかをしっかりと見極める目を持つことです。私が学んできた医学では、エビデンス(証拠みたいなもの)を重要視してきました。しかし、初めて目にするものには過去の経験は役立ちません。
山中伸弥教授は、コロナウイルス について「今よく言われるのは『エビデンスはあるんですか』と、これはエビデンスを待っていたらいつまでも対策はできない。人類初経験、エビデンスなんかどこにもない。その間何もしなかったら手遅れになる」とおっしゃてます。もっともなことです。学校閉鎖が有効なのか、マスクが有効なのか。やってみるまで誰もわからないことです。
その中で、みんながこの正体のよく分からない病気に立ち向かっています。どうか冷静に、不要な混乱を引き起こさないように判断して行動してください。
医聖と言われるヒポクラテスは「私たちの内にある自然治癒力こそ、真に病を治すものである」「人は体の中に100人の名医を持っている。それは自然治癒力である」と述べています。本来の自然治癒力を100%発揮できるように体のコンディションを整えましょう。栄養はその元となるものです。