訪問診療ブログ『いい夫婦の日』
金谷 潤子
11月22日
ご主人さまも先にお看取りさせていただいていた方。
「いい夫婦の日」にご主人さまがお迎えに来られたようです。
とても可愛らしい方でした。
お会いすると皆が癒されました。
忘れん坊さんでもちゃんと私の声は分かっていて、往診の日にはプイと寝たふり(採血がお嫌で)をされてました。
お顔色も良く、頬はほんのり桜色。
ご主人さまとまた手を取り仲良く道中お話されるのかなと、最期の診察をしながら心が緩みました。
ご両親思いのお子様たちもお揃いで、また、ご夫婦の門出のお祝いです。
帰り道、見上げると東の空に大きな二十六夜月が微笑んでいました。
本当にお疲れ様でした。
ご縁をありがとうございました。
訪問診療ブログ『暴走的講演』
金谷 潤子
11月21日
昨日は講演会でした。
パッチアダムス先生のクラウン活動を日本でされている金本 麻理子 (Mariko Kanemoto)さんから、赤鼻が丁度届いたので、早速付けて登壇。
「人は自分の人生を自由にデザインできる。
たとえ終末期であっても、声を発することができなくてもその思いを汲み取ることは誰にでもできるのでは?」
そんなドクターパッチの言葉をお借りしながら、熱さだけで話し倒した2時間でした。
グループワーク形式にしましたが、どのグループも真剣な言葉の飛び交いが歩き回っていても聞こえて来て、つい中に入ってしまったり。
仲良し訪問看護さんやケアマネさん達も多く来て下さっていました。
ケアマネ小木曽さんの感想のご投稿が嬉しかったので、お借りしてご紹介致します。
『ただいま〜!
2時間たっぷり潤子先生の生Facebook満喫
在宅看取りについての悩みや質問に、どれもこれも余す事なくストンと落ちる答えやアドバイス!
先生の脳みそには、どれだけの引き出しを持っているのでしょう
皆さんがウンウン頷きながら聞き入っている様子に、今日もどれだけの人が在宅看取りに対する理解を深めた事かと思ったら、私がワクワクしてしまう
一生に一度しか無い人生の終い場所は、治療をする事が使命の病院から決まりに縛られない在宅で!
一人暮らしだって工夫すれば自宅で死ねるのよ!』
※写真は赤鼻をつけて話している私です
大和ミュージアム
先日、念願の「大和ミュージアム」に行ってきました。「宇宙戦艦ヤマト」世代の私にとっては、大和は特別な存在で、ぜひ行ってみたかったのです。1度目に試みたときには、呉までは着いたものの、駐車場の入場待ち行列にあえなく時間切れとなり断念。2度目には、企画したものの、西日本豪雨と重なり断念。今回は、3度目の挑戦でした。「大和ミュージアム」は愛称で、正式には「呉市海事歴史科学館」で、必ずしも大和ばかりではありません。旧日本海軍の事が展示されています。なんといっても目玉は1/10のサイズとはいえ、戦艦大和の模型です。当時の日本の先端技術の集大成です。圧倒的な機能美に溢れていました。しかし、こんなすごい戦艦が活躍する事は一度もありませんでした。最後には沖縄へ海上特攻隊として向かい、その途中で坊ノ岬沖海戦で戦艦と戦うこともなく撃沈されました。「宇宙戦艦ヤマト」では、海中に原型をとどめて沈んでいたヤマトでしたが、現実には爆発によりバラバラになって海底に沈んでいる事が海底調査で分かっています。大和は開発当時には世界最強の戦艦でしたが、時代の流れはあっという間に航空機を中心とした戦闘に変わっていきました。大和を沈めたのは空母11隻からなる空母部隊からの約400機もの艦載機でした。かつて地球を制覇した恐竜のように時代の変化に乗り遅れたものは、滅びるしかないのです。まだ、うら若い青年将校たちは、このような実態に気づいていましたが大勢を変化させる事はできませんでした。臼淵大尉の言葉に心が苦しくなります。負けが見える戦闘だと分かっていて参加した人の気持ちはどうだったのだろうか、日本は沖縄を決して見捨ててはいない、命がけで彼らが守ろうとしたものは何だったのか。戦争の善悪の判断は難しいが、日本の進歩、明日のために命をかけた我々の先輩たちの気持ちを今の日本はどれだけ生かしているのだろうか。日本人の元々もつ真の心「大和魂」が取り戻されることを願いたい。