訪問診療ブログ『日和見』
金谷 潤子
11月16日
人から見た細菌には善玉菌と悪玉菌がいます。
例えば乳酸菌や麹菌は人の身体に役立つ菌。
ウェルシュ菌や肺炎球菌は身体を蝕む菌。
世の中にも腸内にも、善玉菌と悪玉菌が居るのですが大多数を占めるのは日和見菌(ひよりみきん)。
日和見菌とは?
影響を受ける菌によって善にも悪にもなる菌です。
大多数の日和見菌を善玉菌に変えていく為の工夫が大切ですね。
実は人類もそうだと言われています。
大多数の方が日和見意見の持ち主。
どの時代も悪人も善人も一定の割合で居るのですが、潮流で日和見意見が左右されていきます。
日和見は悪いことではありません。
日和を見る。
待てば海路の日和のあり。
天候、物事の成り行き、塩梅を見ながら
良さそうなところで住まいを整えたり、
機会を伺ったり、
意見をまとめる。
それは生きていくための大切な賢い知恵です。
人間界と同じ工夫が細菌界でも繰り返されています。
善の波紋を広げる工夫について考えていきたいと思います。
訪問診療ブログ『良くする工夫』
金谷 潤子
11月16日
何かを批判する時には、改善案、あるいはそれよりももっと良い代替案を出した方が良いと思う。
例えばウチはなかなか片付かない(住んでいる人全て片付けない)のだけど、
「なんで片付けないの!」
「普通、出したら戻すよね!」
と、言い放っても絶対改善されない。
(もちろん自分も含めて)
汚している悪事(自分も…)を怒るより、
きっと片付くための工夫をした方が効果的。
(これがなかなか難しいが。)
匿名の文句や批判は簡単に誰でも言えるけど、
それで何かが良い方向に変わることは難しいんじゃないかな。
人の心身も同じです。
ばい菌をやっつける抗生物質が発見されて100年あまり。
それによる恩恵もたくさん受けて来ました。
そうして、悪者をやっつけることばかり考えてきたけれど、
敵もさるものでどんどん武器に抵抗する悪者が出てきます。
ここいらで悪者を蔓延らない心身の作り方から健康や治療を考える必要もあると思いませんか?
悪いことを見つけることも大切だけれど、
良くなる方法も同時に考えませんか?
※写真はいつも怒りん坊の患者さん。
顔のパックに使うシートを圧縮したものを「なんだ?」と言っていたので、お使いの化粧水で膨らませてパックして差し上げました。
とても喜んで下さいましたよ。
質問を適当にスルーするのは簡単ですが、5分もかからず喜んでいただく工夫も簡単にできますね。
診察や医療と関係無いと思われる方は、古い!
人の心身は切り離すことはできません。
たとえ悪い事象が取り除かれたとしても生きる意欲が無いと生命の灯火は弱くなるばかりです。
訪問診療ブログ『フラワーウォール』
金谷 潤子
11月14日
今をときめく米津玄師さんは本当に類稀な才能に溢れていると、どの歌を聴いても感心してしまいます。
歌詞に感動するのは中島みゆきさん以来。
中でもこの歌が大好きです。
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Flowerwall
作詞作曲・歌 米津玄師
あの日君に出会えたそのときから
透明の血が僕ら二人に通い
悲しみも優しさも 希望もまた絶望も
分け合えるようになった
知りたいことがいくつもあるというのに
僕らの時間はあまりに短く
あとどれほどだろうか
君と過ごす時間は
灯りが切れるのは
君のその声が 優しく響いた
こんな憂いも吹いて飛ばすように
フラワーウォール
目の前に色とりどりの花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか
何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでる
それを僕らは運命と呼びながら
いつまでも手をつないでいた
このあまりに広い世界で僕たちは
意味もなく同じ場所に立っていたのに
僕の欠けたところと
君の欠けたところを
何故かお互いに持っていた
どうして僕らは 巡り会えたのか
その為だけに 生まれてきた様な
フラワーウォール
独りでは片付けられないものだろうと
君がいてくれたらほら
限りない絶望も
答えが出せない問いも全部
ひとつずつ色づいていく
離せないんだ
もしも手を離せば
二度と掴めないような気がして
誰も知らない
見たことのないものならば
今 僕らで名前をつけよう
ここが地獄か天国か決めるのは
そう 二人が選んだ道次第
フラワーウォール
目の前に色とりどりの花でできた
壁が今立ちふさがる
僕らを拒むのか
何かから守るためなのか
解らずに立ち竦んでる
それでも嬉しいのさ
君と道に迷えることが
沢山を分け合えるのが
フラワーウォール
僕らは今二人で生きていくことを
やめられず笑いあうんだ
それを僕らは運命と呼びながら
いつまでも手をつないでいた
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私も、目の前に立ちはだかる壁を
いつも感じて生きて来ました。
ある時は疲れ果て
ある時は怒り苛立ち
ある時は泣き崩れ
それは自分にとって
障壁や害悪、災難としか
思って来なかったけれど、
もしかすると、
何かから自分を守る壁だったのかもしれない
「色とりどりの花の壁」と表現し、
その意味を問いかける、
米津さんの文学的才能に心打たれながら、
愚かで迷うばかりだった自分の半生を振り返ります。
※写真は数年前に訪れたラスベガスのショッピングモールの天井アートです。