広島平和記念資料館
今年、4月にリニューアルオープンした広島平和記念資料館に行ってきました。改修前の展示は人形で原爆の悲惨さを表現したのが印象的でしたが、その表現が良くないとする人もあり、一新されました。全体的に、CGを活用し、コンピュータによる学習の要素を増やしたより洗練された展示になっており、世界中からの観覧者で満員の状態でした。展示は、10万人もの人が命を奪われた原爆の悲惨さを表していますが、特に個人に焦点を当てて奪われたものの大きさを表現しているのが印象的でした。戦争中だから非人道的な行為が許されるわけではないことはもちろんです。しかし、戦争という行為は人間の判断力をこれほど歪ませるものなのかということを表している出来事なのかと思います。決して、戦争という選択肢を選んではいけないし、国民の命を守れないような国であってはいけないと思います。改めて、色々と深く考えました。
写真は、特に印象的だった原爆によって未来を奪われた一家のものです。
訪問診療ブログ『手のひら診察』
金谷 潤子
10月22日
『手のひら診察』
高齢者の肌は乾燥していることが多いです。
かゆかゆになったり、すれて痛くなったり、赤くなったり。
時折、靴下を脱いで頂きカサカサの足全体に保湿剤をたっぷりと塗ってお話しながらマッサージすることも有ります。
他の先生の様に、医者らしい診察風景ではありませんが、私なりの情報をたくさん得ているつもりです。
足の冷たさや皮膚の張り、むくみ、乾燥具合、血管の怒張の塩梅。
ゆっくり触れながら、表情、会話の声色や目の輝き、選ぶ言葉やその出具合。
そんなの医者じゃないと思われるかもしれませんね。
人の生活の中で調子の良し悪しは、そんな些細なところに意外と現れてくるものです。
その上で血液検査だったり、慎重に触診、聴診をしたり、もっとヒアリングをしたり、場合によっては精査を病院さんにお願いしたり。
今日の方は、重症心不全と慢性肝炎がありますが、思い切って利尿剤を減らしている最中です。
少しだけお顔のしぼんだ感じが改善している様な気がしました。
採血の際(殆ど自分で採血します)の血管を刺した感触(弾力)は以前より力強く、血液流出の勢いも良好で少し安心しましたが、手が冷たくカサついていましたので、両手に保湿剤をたっぷりと塗るついでにお顔にも。
両手でお顔を覆って温める様に。
血液検査の結果はとても良好で思わずご家族にショートメールでお知らせしました。
※知らないうちにスタッフが写真を撮っていました
訪問診療ブログ『おもいやり』
金谷 潤子
10月19日
『おもいやり』
忘れん坊さんの高齢女性の家でよく見かけるものがあります。
大切にお世話されているぬいぐるみ達
ある方はお布団をちゃんとかけて仲良く並べて寝かせてあげて。
ある方はご飯分けては口元拭いてくれてるから変色していて。
ある方は小さな生花を背中に乗せ、おめかしさせてくれて。
ある方は日差しが眩しくないようにタオルをかけてくれたり。
歳をとっても
忘れん坊さんになっても
ちゃんと忘れていない
優しさ
おもいやり
気遣い
身の回りの小さな可愛らしいものを
お世話している。
ぬいぐるみ達は家族なんですね。
人としてとても大切な
美しい心は
もしかしたら私よりあなたより
忘れていない
大事なことは皆
じいちゃんばあちゃんが教えてくれた。
じいちゃんばあちゃんが生きて
今のこの時代を作って来てくれた。
醜いことや
つまらないことを数えるよりも
美しいことや
すばらしいことを数えた方が
きっと色々なことが楽しく幸せに見えてくるのではないだろうか。
※この写真はこの数年でたまたま私が撮影していた全く違う高齢女性たちのお部屋です。(何枚かあったはずとiPhoneの中の1万枚から何とか探し出しました多分まだ何枚か有るのですが…)
とてもほっこりしてその都度思わず笑みがこぼれました。
皆さま、大分忘れん坊さんでした。
感じる心によっては、「認知症のおばあちゃん達のヤバい仕業」と寂しい表現になるのかもしれませんね。
それこそがとても不幸だと思うのですが。