ブログ

2019.02.14

ヨーロッパアンチエイジング学会に参加しました

ECAAMというヨーロッパのアンチエイジングのミーティングに参加してきました。今回は初めての参加でしたが、参加人数も40人程度のこじんまりした会で、主催はDr. Claude Dalle(https://www.drclaudedalle.co)という方でした。A4M的なものを期待していたのでちょっとがっかりでしたが、その分集中して勉強できました。
日本は、アンチエイジングについての偏見がまだあり、病院で受ける保険医療こそが正しい医療でそれ以外はインチキという人もいますが、予防医学に関する研究は世界でも熱心に行われています。その、予防医学の社会的な利用法がアンチエイジングに導入されています。各国が予防医学に熱心に取り組む理由は巨額な医療福祉にかかる社会保障費が国の財政を圧迫しているからです。国民にできるだけ社会福祉の依存度を減らしてもらい、働いてほしい。そのような国の必要性と、健康に過ごしたい国民の希望が合致しているので熱心に取り組むようになっています。
最近のトレンドは、免疫による発癌予防と、ホルモン補充療法のようです。サプリメントも積極的に使用しています。特にビタミンDは常に推奨されます。ヨーロッパは、北海道と同様に緯度が高いので日照時間が短いのがその理由です。
ホルモン補充療法は、アメリカでより盛んですが、中高年以降の体調不良の原因のほとんどがホルモン変化によるもののようだからです。日本では、ホルモン剤というとまだ偏見があるようですが、対症療法が中心の薬剤に比べると天然ホルモンは生体の自然な仕組みを利用するので体に対する負担が少ないのが利点です。特に注目のホルモンは、メラトニン、性ホルモンと、甲状腺ホルモンです。

2019.02.14

訪問診療ブログ『変わってしまったオヤジ、の爪』

金谷 潤子

1月23日

私は1年と少し前からのご縁です。
慢性の肺疾患があり、典型的バチ状爪を呈していました。
認知症の薬と去痰薬数種類に抗菌薬を長年服用されていました。
とても頑固で変化をなかなか受け入れない方なので、朝昼夕の薬の個数を変えず、剤型もあまり違和感が無いように工夫に工夫を凝らして毎回少しずつ変えて来ました。
体重減少があり悪性疾患も疑い、昨年夏には看取りも考えましたが、この方の生きる力を諦めたくなくて僅かな抗うつ薬などを使ったところ、食べる楽しみを取り戻し半年で8kgほど太ることができました。
ふと気がつくと分厚く変色したバチ状爪の代わりに健康な爪が根元から伸びて来ています。
忘れん坊さんのご本人も、きれいな爪が嬉しいのか、そんなことは言ったことないのに「爪を切って欲しい」と訪看さんにお願い。
「高齢者であっても身体はちゃんと変化する」というのが持論ですが、この爪には私もちょっとビックリしました
肺炎を繰り返していた方でしたが、幸いまだお熱は一度もありません。
遠方の息子さんたちのご理解も得られましたので、我が家を長く満喫していただきたいと思っています。

2019.02.13

訪問診療ブログ『最期まで自分で在ること』(過去編)

金谷 潤子
2018年11月5日 に Facebookに投稿した記事の振り返りです。

これからも少しずつ過去の記事を投稿していきたいと思います。

食道癌末期の方。
まだお若い。
呼吸困難が進行してきている。
疼痛も強くなってきた。
モルヒネの内服を開始した。
最初はとても調子良く過ごしていたが、呼吸抑制からおそらく炭酸ガス血症となったのであろうか、或いはモルヒネのせん妄か、ぼんやりとし始めた。
彼はノートに書き殴った。
「廃人になった」
「薬で頭がおかしくなっている」
「自分じゃない」
部屋も荒れ果ててきた。
訪問看護師さんと相談して一度全て麻薬類を切った。
薬が抜けてくると言葉が次々と現れてきた。
「もう残された時間は短いかもしれません。
でも、これは誰にも分かりません。
もともと、ご紹介頂いた病院の先生が予測していた時間の4倍くらいは既に経過しているのですから。」
「お迎えが近いことは怖いですか?」
「死ぬのは怖くない。自分が無くなるのが怖い。」
「もうお身体はずいぶんとお疲れになってきているようです。
酸素が充分入ってくると、時に脳は『酸素が満ちているからそんなに呼吸せずに頑張らなくていい』と、勘違いして呼吸の回数や深さを減じてしまいます。
今の時期は不安や恐怖を和らげて、呼吸の苦しさを取るために少しぼんやりさんの方が楽だ、そうなりたいと言う方も多いです。
◯◯さんはいかがですか?」
「頭がしっかりと最期まで自分でありたい。」
「時間は短いかもしれません。
それでは『最期までご自分で在りたい』を大切にしましょう。
その為に酸素も我慢しましょう。
炭酸ガスを少しでも減らすためです。
呼吸の苦しさを減じる為にごく僅かだけもう一度モルヒネを使いませんか?
ご自分を失う量にはさせません。
会っておきたい方、残しておきたい言葉などお考え下さい。」
再度訪問看護さんと相談して、モルヒネの坐薬を4分の1程度に切って使いました。
5時間ほど経過して見に行ってくれた看護師さんからは「とても落ち着いていました。『まだ少し苦しいけどこれで良い、大丈夫。先生に言われたことを考えて、しなくてはならないことを今まとめてる。』とのことです。」
と、ご報告がありました。
緩和ケアとはただ痛みや苦しみを除くだけではなく、その人らしさを引き出すための在り方を叶えるための工夫です。
この方にとって、毎日訪問看護さんが来てくれることが最も大きな心の支えだとのことです。
それに加えてご自分のお仕事の集大成。
それらを邪魔しないような薬剤調整。
ぼんやり穏やかに過ごすことが誰もが求めてる終末期
ではない。
人の数だけ幸せの在り方は違い、
価値観も違う、
そして薬剤の効き方もまた違うことをいつも忘れてはならない。

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